海民とは何か。どのように日本社会に根を張り、文化を作ってきたか。
『海民と日本社会』を読み、かなり興味が出てきた。
近代以降、日本は儒教的な農本主義を掲げる運動も起こったり、農業は比較的今でも文化基盤として、生活基盤として言われたりする。
では海の文化圏に関してはどうだろうか。
僕は昔から海を見ることが好きである。海を向かうことが好きである。
特に日本海の近くで生まれたので、あの荒々しい海をかぐととても心が溌剌としてくる。
初めて、太平洋を見た時はまた感動したものである。
海が綺麗で透き通っていた。
海は僕にとって人を阻むようなある種異郷へとつながるような場所であったから、南の方の海は非常にそういう意味ではノスタルジーを感じさせた。
人の移動ー 海から陸へ。 陸から海へ。
おそらく古代からもこの移動は多種多様な形があったはずである。
移動が文化を形成する。
今は多くのことがAmazonで済むのでこの移動が極端に減ってしまった。それで、不意の出会いも減り、文学も廃れる。
海民を捉えることは、こうした失われた移動手段とその文化交流を考えることでもある。
海へ向かうというロマンチシズムに関してもっと考えたい。